✴︎タロット随筆✴︎

小アルカナ ◆カップ◆

 目次

1.

2. マイナススタート

3. 

4. 

5. 

6. おにぃ追悼

7. 

8. 

9. 

10. 奇跡

ペイジ. 

ナイト. 

クイーン. ささやかな夢

キング. 



(徐々に追加いたします)

マイナススタート

 

我が家のねこちゃんズの母猫には、恋人がいます。茶トラの彼です。

 

ふたりはむかし仲が悪かったのだそうです。

それがどうして恋人になったかといえば、おそらく、子どもたちがみんな貰われていって寂しがっていた母猫のそばに茶トラ氏が居てくれたのがきっかけではないかとのことです。

 

 

今のふたりの間には、信頼度の高いラブラブ感が漂っております。仲が悪かったところから仲良くなったことが、かえって良い関係につながったのかもしれません。俗に言うマイナススタート効果です。


仲なんて、何がきっかけで良くなるかわかりませんね。

 

【小アルカナ・カップ2】


おにぃ追悼

 

私と知り合う前の小海(犬)には、おにいさん代わりになって遊んでくれる黒い立派なわんこがいました。

 

ふたりは石垣島の砂浜を全力で駆け回っていました。

きれいな海も、ふたりじめ。
一緒に亀に驚いてみたり、
一緒に魚を捕まえてみたり。
泳ぎも、おにぃに習いました。
独りでは怖いけど、おにぃと一緒ならなんでもできるのでした。

 

 

めちゃめちゃ甘えてみたり、
甘える度が過ぎて怒られてみたり。

天真爛漫な性格は、おにぃとの時間に作られたといっても過言ではないでしょう。


幸せな子ども時代でした。

 

 

おにぃは、先日亡くなりました。
誰にでもいつかは訪れる、この世とのお別れです。
たくさん愛して、たくさん愛されて、楽しかったと言ってお別れして、またいつかどこかで巡り逢えたらいいね。

おにぃ、ありがとう。

 

【小アルカナ・カップ6】


奇跡

 

5匹きょうだいのネコのうち、私の家にくるのが2匹になったのは偶然の成りゆきでした。

 
ネコを飼う気などさらさらなかった私が、一目惚れして「このコと一緒に暮らすのが運命だ!」と思い込んで連れて帰ったのが1匹目、小空。

それから1ヶ月経ち、きょうだいが皆もらわれて行って最後の1匹になっていた猫に「一緒に暮らす?」と訊いてみたらうなずいたので連れて帰ったのが2匹目、小陸。

2匹は別々にうちに来ることになりましたが、野良時代の写真を見ると、幼い頃から仲良しだったようです。
一度離れてもまた一緒になる。
縁の深さを感じます。

 

たくさん子猫がいるのに、その1匹に一目惚れしたのは奇跡。

うちに来る?と訊いたタイミングで猫がうなずいてくれたのも奇跡。
2匹を笑って受け入れる犬の寛大さも奇跡。

 

家族は、奇跡でできています。

 

【小アルカナ・カップ10】


ささやかな夢

 

 夢を見ました。

自転車に乗っていました。

ふと自転車のカゴを見ると、猫2匹を生身で乗せて走っていることに気づきました。このままでは、猫たちは私から離れ、自由にどこかに行ってしまいます。彼らはまだ私に本気では懐いておらず、抱っこもできない関係なのです。

どうにかせねばと焦る私の気持ちをよそに、猫たちはあっさりカゴから出て、近くの塀に登ってしまいました。
私はふたりとこれからも一緒に暮らしたい一心で「お願い!戻ってきて!」と懇願しました。

すると、1匹は「はーい」と戻ってきました。そしてもう1匹は、なんと両目いっぱいに涙を浮かべて私を呼んで鳴きました。
ふたりとも、どこかに行く気なんてないのです。ちゃんと、懐いていたのです。

私は力持ちスタイルで左右の腕に1匹ずつ猫を抱きかかえました。
両腕に白猫。
初めての抱っこ。

自転車なんか乗り捨てて、泣きながら歩いて帰りました。

…という夢を見て目を覚ますと、当のふたりはまだ夢の中でした。

今夜あたり、抱っこできるかニャ?

 

【小アルカナ・カップクイーン】