目次
1.
2. マイナススタート
3.
4.
5.
6. おにぃ追悼
7.
8.
9.
10. 奇跡
ペイジ.
ナイト.
クイーン. ささやかな夢
キング.
我が家のねこちゃんズの母猫には、恋人がいます。茶トラの彼です。
    
ふたりはむかし仲が悪かったのだそうです。
    
    
    仲なんて、何がきっかけで良くなるかわかりませんね。
    
【小アルカナ・カップ2】
私と知り合う前の小海(犬)には、おにいさん代わりになって遊んでくれる黒い立派なわんこがいました。
    
ふたりは石垣島の砂浜を全力で駆け回っていました。
    
天真爛漫な性格は、おにぃとの時間に作られたといっても過言ではないでしょう。
    
    幸せな子ども時代でした。
    
    おにぃは、先日亡くなりました。
    誰にでもいつかは訪れる、この世とのお別れです。
    たくさん愛して、たくさん愛されて、楽しかったと言ってお別れして、またいつかどこかで巡り逢えたらいいね。
    
【小アルカナ・カップ6】
5匹きょうだいのネコのうち、私の家にくるのが2匹になったのは偶然の成りゆきでした。
    
    たくさん子猫がいるのに、その1匹に一目惚れしたのは奇跡。
家族は、奇跡でできています。
    
【小アルカナ・カップ10】
    
     夢を見ました。
    自転車に乗っていました。
    
    ふと自転車のカゴを見ると、猫2匹を生身で乗せて走っていることに気づきました。このままでは、猫たちは私から離れ、自由にどこかに行ってしまいます。彼らはまだ私に本気では懐いておらず、抱っこもできない関係なのです。
    
    どうにかせねばと焦る私の気持ちをよそに、猫たちはあっさりカゴから出て、近くの塀に登ってしまいました。
    私はふたりとこれからも一緒に暮らしたい一心で「お願い!戻ってきて!」と懇願しました。
    
    すると、1匹は「はーい」と戻ってきました。そしてもう1匹は、なんと両目いっぱいに涙を浮かべて私を呼んで鳴きました。
    ふたりとも、どこかに行く気なんてないのです。ちゃんと、懐いていたのです。
    
    私は力持ちスタイルで左右の腕に1匹ずつ猫を抱きかかえました。
    両腕に白猫。
    初めての抱っこ。
    
    自転車なんか乗り捨てて、泣きながら歩いて帰りました。
    
    …という夢を見て目を覚ますと、当のふたりはまだ夢の中でした。
    
【小アルカナ・カップクイーン】